トップシートの粒側をスポンジと貼り合わせた、表面が平らなラバーです。現在最も多く使われているのがこの裏ソフトラバーであり、大きく以下の4つに分けることができます。
裏ソフトとは反対に(正確には、表ソフトから派生したのが裏ソフトなのですが)、粒々を打球面にしたトップシートとスポンジからなるラバーです。ボールとの接触面積が小さいため回転の影響を受けにくく、初速がでやすいという特徴から、速攻型の選手に多く使用されています。また、ラージボールでのゲームに唯一使用できるのもこの表ソフトです(ラージボールでの使用を前提にしたラバーが各社から発売されています。ex. モリスト44)。
表ソフトは粒の形状や密度によって性質が異なります。粒が太く、密度が高いタイプのラバーは安定性が高く、比較的強い回転をかけることができます(MDスピンピップス, 双喜PF4-652-CS, etc)。粒の密度が下がると、より回転の影響から自由になり、ナックル性のスピードボールを出すことができます(スペクトル, Clippa, etc)。さらに粒の形状が細長になると、後に説明する粒高ラバーのような、不規則な変化を生みやすいラバーとなります(ミリタルソフト, アタック8, etc)。
また、表ソフトでも裏ソフト同様テンション系ラバーの開発が進んでいます。ここではモリストSP, レイストーム, 802-40等を代表格として挙げておきます。
表ソフトの粒をより縦長にしたラバーで、「イボ」と呼ぶプレイヤーもいます。具体的には高さ÷直径の値が0.9以上のものが粒高ラバーと定義されます(上限は1.1)。この細長い粒はボールに押されると倒れ、ボールの回転方向を保ったまま返球するという性質を持っています。つまり相手の下回転をつっつけばナックル〜上回転となって返り、ドライブはナックル〜下回転となって返るという、変則的なラバーということができます。裏ソフトとの組み合わせで球質に変化をつけるカット主戦の選手や、変化攻撃を武器とする前陣攻守の選手に多く愛用されています。
一般的に粒が細く長いラバー(カールP1R, Feint Long II, etc)ほど変化に富み、粒が太く短いラバーほど(カールP3, etc)安定感があるので、プレースタイルに応じて選択するべきでしょう。なお、粒高ラバーには後述する一枚ラバーのようにスポンジが無いタイプも存在します。
粒を打球面にしたトップシートのみからなるラバーです。つまり、表ソフトのスポンジがないものと言えるでしょう(「ソフト」とはスポンジを意味しています)。打球感は木ベラに近く、スピードと回転に乏しい分コントロールがつけやすいラバーです。また構造上重量を抑えることができるため、ペンホルダーの裏面に「保険」として貼るプレイヤーも居ます。現在は高性能な裏ソフトの使用が主流となっていますが、それゆえに面白みのあるラバーではないかと思います。
裏ソフトラバーと遠目には同じですが表面に摩擦力は無く、相手の回転をナックルにして返球することができるラバーです。玉持ちを確保するために極めて柔らかいスポンジを使用していることが多く、スピードも相当量殺すことができます。摩擦力・弾性に優れた裏ソフトラバーと組み合わせ、切れたカット・切れないカットを織り交ぜることで真の効果を発揮しますが、ルール改正により両面同色のラバーが禁止されてからはかつてのようなアドバンテージは得られなくなってしまいました。
代表的な製品: スーパー・アンチ, etc.
スポンジの厚さはラバーの性質を決める重要なファクターです。スポンジが厚くなるほどボールの弾みは大きくなり、たとえ同じ名前のラバーであっても「特厚」と「薄」では全く別物といっても過言ではありません(カタログに記載されているスピード等の数値は参考程度にとどめておくのが賢明です)。攻撃を重視するのであれば厚めのラバーを選択するのが妥当ですが、スポンジが厚くなれば当然重量もかさみ、制球も難しくなってしまうので技術レベルや目指すスタイルに合わせて選択するべきでしょう。
40mmボール採用以降、ドライブ主戦のトッププレイヤーが「特厚」以外を選択するケースは非常に稀となりました。これはボールが受ける空気抵抗が増加したことに対するひとつの策なのですが、下回転サービスやツッツキのような飛距離を要求しない技術については、あまり厚すぎないほうが有利な側面もあります。また、表ソフトでの速攻を軸にするプレイヤーは、いわゆる「球離れの良さ」を保持するためには適度な厚さにとどめておく方が無難でしょう。旧来、カット主戦のプレイヤーは薄めのスポンジを選択するのが基本とされていましたが、近年ではフォアハンドでのドライブ攻撃を併用するプレイヤーも多く、フォアサイドに特厚の高摩擦ラバー、バックサイドに超極薄の粒高ラバーといった組み合わせも珍しくありません。
結局のところ、ベストな厚さというものはプレイヤーによって異なってくるとしか言いようがありません。ですので、ラバーレビューの際には使用したラケットのほかに、スポンジの厚さも併記してください。こうすることで、あなたのレビューはより価値のあるものとなります。
ラバーの硬さもまた、見逃すことのできない大切な要素です。たとえば裏ソフトラバーの定番製品の一つであるMARK Vシリーズでは、スポンジの硬い順にMARK V M2, MARK V, MARK V AD, MARK V 30°と、4種類ものヴァリエーションが存在し、プレイヤーの多様なニーズに応えています。
硬いラバーは一般的に破壊力の面で有利ですが、イメージしたボールを打つためには相応のスイングスピードが要求されます。反対に、柔らかいラバーではボールの食い込みが大きい分、ボールに力を加えることが比較的容易といえます。
結局これもプレイヤー次第ということになってしまうのですが、傾向としては、38mmボール時代よりも若干柔らかいスポンジが好まれているようです。これはインパクト時にボールが変形しやすくなったため、硬すぎるラバーでは逆に飛距離が出にくくなったという理由と、柔らかいスポンジのほうがより高いスピードグルー効果が期待できるという二つの理由によるものです。
ラバーの性能を最大限に引き出すには、ラケットとの相性も考えなければなりません。一般に、硬いラバーには柔らかいラケットを、柔らかいラバーには硬いラケットを合わせるのが良い選択だとされています。柔らかい物同士では威力が不足し、硬い物同士ではボールのコントロールが難しくなる、というのがその理由です。もちろん、トッププレイヤーの中には硬く、弾きの強い用具同士を合わせる例(SCHLAGER + BRYCE, etc.)もありますが、使いこなすのは相当に困難でしょう。
# これは私見ですが、ラケットに強い弾みを求めるのは「強打のスピード不足が主な原因で試合に勝てない」というレベルに達してからでも遅くないと思います。スイングが完成していない状態でカーボンラケット等を使用すると、強い回転をかけることが難しくなり、却って威力が落ちるということが往々にしてあるようです。